災害への備え、大丈夫ですか? ~人と牛を比較して考えてみよう~

今年は本州で天候による災害が多発しています。北海道では3年前に胆振東部地震が発生し、きたみらい地域でも停電が発生したことで、非常に大変な思いをした方もいらっしゃいました。そこで今回は、災害時に必要となるものについて考えてみましょう。防災の日は過ぎましたが、災害はいつ起きるか分かりません。備えあれば憂いなしです!

防災イメージ

一口に災害といっても、地震や風水害などの自然災害から人為的災害、そしてそれに伴うライフラインの供給停止による被害など種類はさまざまですが、どんな災害においても命を守るため、無くてはならないものがあります。それは「生活水と食料」です。災害時に私たち人間の体を維持するためには、最低3日分の生活水や食料が必要であるといわれています。1人分を備蓄するとなると、水は9リットル、食料は9食分という計算になります。さて、牛の場合はどうなるでしょうか?

牛

牛は、1日約80~120リットルの水が必要であり、高泌乳牛(乳をたくさん出す牛)になると約200リットルほどの水を飲むといわれています! この水は、生乳や排せつ物として体外へ出ていきますが、牛は体の20%の水分が失われると死んでしまうため、常に水が必要です。

 

次は、電気の必要性について考えてみましょう。3年前の地震ではブラックアウトが発生し電力供給が一時ストップしましたが、この教訓から私たちが備えておくべきものには何があるでしょうか? 懐中電灯、ロウソク、ソーラーチャージャーに小型発電機・・。スマホ社会の現代では、SOSの発信をしたり最新の情報を得たりするためにも、電池式の携帯充電器などは備えておきたいものですね。

一方、牛ではどうでしょうか? 牛乳を搾るためにはさまざま機器を使用しており、普段からたくさんの電力を使用しています。もし搾乳をしない日が続いたら、牛は乳房炎という病気を発症し最悪死んでしまうこともあります。さらに絞った生乳を冷やしたり、水を引っ張るためのポンプを稼働したりするにも電力も必要なため、大きな発電機が必要です。

電気機器

きたみらい地域ではもう一度あの日を思い出し、今出来る備えを考えていただくため、酪農家の方たちに注意喚起の資料を配布しました。非常時における発電機の設置方法や稼働手順などを再確認できるものです。

災害に備える資料

置戸町防災ガイドファイル表紙

(左:JAきたみらい畜産部にて酪農家へ配布した資料、右:置戸役場HP防災ガイドファイルより)

 

皆さんも自分や家族の命を守るため、備蓄品を再確認したり市町村の災害マニュアル等を読み直したりして、もしもに備えておいてくださいね。

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