野菜のおいしさの秘訣は厳冬期にあり!? 冬に畑で起こっている現象をご紹介します

突然ですが皆さんに質問です。オホーツクと聞いて思い浮かべることは何ですか?

「流氷」と答えた方・・・大正解です。他に「世界自然遺産 知床」や「女子カーリングチーム ロコ・ソラーレ北見」も有名ですね。しかし今回皆さんにぜひ知ってほしいことは、「オホーツクは、土も凍る!」ということです。

土壌凍結

これは現在3月の畑で20cmほど掘った土の中の写真です。土の中に氷があることが分かりますか。この現象は「土壌凍結」と呼ばれ、厳冬期に気温マイナス20度以下になる当地域では、海面が流氷で覆われるオホーツク海もさることながら、畑の土までもカチンコチンに凍るのです。

最近ではこのような光景も見られます。

雪踏み

雪には断熱効果があり、厚く積もるほど空気の冷たさから畑を守る、いわゆる掛け布団効果が高くなります。JAきたみらいが位置するオホーツクの北東部(北見市・訓子府町・置戸町)は北海道の中では比較的積雪の少ない地域ではあったのですが、近年は気候変動の影響か、積雪の多い年が増えているため、あえて雪を踏むことで雪を圧縮して薄くし、土を凍らせる栽培技術「雪踏み」が普及しています。

ここでようやくタイトル回収となりますが、土を凍らせると翌年の畑の土が「ふかふか」になります。土の中で水分が凍って体積が膨らみ、土の塊が細かく砕かれ、雪どけ後は土の中に空気や水分を含む空間が増えるためです。

ふかふかの畑

おいしい野菜作りは土作りからと言いますが、ここでは極寒の冬が「自然の力」で畑を耕してくれているのです。当地域でもこの頃はだんだん暖かくなり、雪どけが進んでいますが、土の中ではまだ凍結が残っています。畑の下の凍結がとけ、土が乾いてくる4月中旬ごろが畑仕事のスタートです!

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